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zoom RSS もしらば 明穂ルート「赤い糸」感想その3(長文+激ネタばれ注意)

<<   作成日時 : 2008/01/03 22:27   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 1 / コメント 2

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 ね、カズちゃん。
 たった2か月だったけど、私、楽しかった。

 カズちゃんやつばさといっしょにいられて、
 千早ちゃんや珠美ちゃんっていう新しい友達もできて、
 思い出をいーっぱい、もらえて、
 ――私、幸せだったよ。

 カズちゃん。
 必ず還ってくるから。
 今度は私がカズちゃんに、
 幸せをいーっぱい、あげるから。
 
 だから、ね、カズちゃん。
 今は泣いててもいいから……
 今度会うときは――

 ――笑って会いたい、な!




 いきなりな出だしですいません。↑書きながら泣いていた時点で既に末期症状なmiyaという者です。
 だいぶ間が空いてしまいましたが、「赤い糸」感想その3です。前回量的にも内容的にもちょっと暴走気味だったので、今回は少し抑えて書いていこうと思います(←ホントにぃ〜〜?)。ていうか↑書いたらもう何も付け加えることがないような気が(爆
 毎度のことながら、ネタバレしまくりですので、心してお読みください(プレイ途中または未プレイの人は攻略完了後に読むことを激しくおすすめします)。









5)幸せはいつだって失くして初めて幸せと気づく大切なこと

 波乱の一夜は開け――
 翌10月28日の土曜日は、それまでの衝撃展開が嘘のように淡々と流れていきます。
 
 明穂のいない朝の食卓。
 明穂のいない教室。
 明穂のいない一日――

 否応なく突きつけられる、「明穂の不在」という現実。明穂のために、明穂を永遠の苦しみから救うために、一樹は、あの時点で自分のとれる唯一の手段をとりました。理性は彼に、それが正しい選択だったのだと告げます。
 しかし、後に残されたのは、心にぽっかり穴があいたようになった一樹の姿でした。
頭の中が真っ白で、何も考えられない。
どういう感情を抱くべきなのか、それすらも分からない。
「……明穂」
――そういえば、
明穂が死んだときも、こんな感じだった。

 失って初めて分かる、大切なものの価値。しかし手のひらからこぼれ落ちてしまった宝物をすくい上げる手段を、彼は持ち合わせていません。一樹に出来ることは、先に進むことだけ。 
 
――何でもいいから、今までと違う未来へ進みたかった。
いつまでも、時間を止めてはいられない。
僕には、『これから』を見つめる必要があるのだから。
そう…、
明穂との過去ではなく、一人きりの未来。

「……これで、全部元通り」
夏休みが終わったあの時に、時間を巻き戻そう。
今の僕たちが、本来のあるべき姿。

 「いつまでも、時間を止めてはいられない」と一樹は言います。前にも書いたように、明穂は突然の死によって、時間の止まってしまった少女です。しかし一樹もまた、恋人の死という現実を受け入れ克服することができず、時間が止まってしまった存在なのです。
 
 再び明穂を失った一樹は、「夏休みが終わったあの時に、時間を巻き戻」し、「一人きりの未来」を進んでいこうととします。
 けれども、自力で「一人きりの未来」を進んでいけるのであれば、明穂が幽霊になって戻ってくることもなかった。時間が止まって未来に向かって歩くことができないからこそ、一樹は幽霊となった明穂と出会うことができたのではないでしょうか。

 ならば、きちんと明穂の気持ちと向き合うことをせず、自分の気持ちを押し殺して彼女を成仏させてしまった(と、彼は思い込んでいるわけですが)一樹に、「一人きりの未来」を進んでいくことは可能なのか?

 ――その答えは、一日置いた月曜日、明穂視点のパートで示されています。 
 
教室の中には、まだ誰もいなかった。
カズちゃんは、無言のまま窓際の机を見つめていて――
……大きな、ため息をついていた。

 一樹の時間は、依然として止まったままのようです。
 願い通り明穂成仏させた(と、本人は思っている)ものの、深い喪失感と悔恨を抱える一樹。
 では明穂は? 「一樹の側にいたい」と願い、結果的にその通りになった明穂は、その結果に満足しているのでしょうか? 
 これはもう僕が下手にまとめるよりも、明穂自身の言葉で語ってもらった方が早いです。少し長いですが引用します。
(↑の一樹のため息に続いて、)
「ばか…、そっちじゃないわよ…」
思わずこぼれる、呟き声。
幸いにも、カズちゃんには聞こえていなかった。
……幸い? どこが?
見つかりたくないのに――
見つけて欲しいなんて――
…私は、何を望んでいるのだろう?
――ばかね
望んだって、もう無理なのに。
だから、私はこれでいい。
側にいるだけで、満足するべきなのだ。

(その後、屋上にて)
ずっとずっと、カズちゃんの側にいるだけで――
他には、何も望むことはない。
「これで、いいの……」
今の私は……幸せなのよ。
たとえ、ずっと涙が止まらなくたって。
滲んだ視界で、秋晴れの空を振り仰ぐ。
天国は、あの雲の向こうにあるのだろうか?
――私の逝けなかった、天国が。

 涙を流しながら、「今の私は……幸せなのよ」と自分に言い聞かせるように呟く明穂。もしらば全編を通して、「幸せ」という言葉がこれほど哀しく響く場面は他にありません。  
 
 怒濤の一夜から感動のクライマックスへ――その間の小休止といった感の強いこのパートですが、実際は、一樹と明穂のうつろいゆく心情を描いた、重要なパートだと言えます。

 ――明穂がきちんと成仏してくれれば、それでよかったはずなんだ。でも、そうじゃなかった。
 ――カズちゃんの側にいられれば、それでいいと思ってた。でも、違ってた。
 
 「避けられない別れ」という現実を前にして、2人とも、いつしか自分の想いしか見えなくなり、相手のことを考えるゆとりを見失っていたようです。皮肉なことに、明穂が姿を消したことで、逆に2人とも自分のこと、相手のことを落ち着いて振り返ることができたような気がします。

 ここまでくれば、2人が本当の答えを出すまで、もう一息です。


6)明日=未来 止まった時間の中にいる少女が、愛する人と共に歩む未来を望む物語――

「…ごめん」
  「ちょ、ちょっと、いきなり何を――」
「帰って」

 10月31日、火曜日。明穂と一樹の最後の一日。結局最後まで不遇キャラだった委員長は気の毒ですが(ていうか一樹やっぱり鬼畜すぎ)、ここからクライマックスにかけての展開を見て気づくのは、これが第1章の本歌取りになっていることです。

 ジゼルがきっかけになって明穂の存在に気づく一樹、舞台が秘密基地に移ること、そして終盤で2人に起こる奇跡――と、かなり意識的に同じモチーフを繰り返しています。

 繰り返し――本編で一樹は何度か「やり直し」「繰り返し」という言葉を口にします。その言葉に象徴されるように、もしらばは「繰り返される」物語、果たせなかったことを「やり直す」物語ということができます。
 第1章で、明穂の未練を晴らすため、一樹はもう一度告白を「繰り返し」ます。その後のデートイベントは、実現できないまま終わってしまった恋人としての交際を「やり直す」ことでもあります。
 であるなら、第6章でのいくつかのモチーフの「繰り返し」は、これがそのまま第1章の「やり直し」でもあるということを表しているわけです。

 この後の、一樹と明穂の再会シーンは、思い出すだけで泣けてくるのですが、泣いてばかりもいられませんので気づいたことを書いておきます。
 辞典でも書きましたが、泣きアイテムとしての明穂の幽霊携帯の使い方には本当に感心しました(←泣いたり感心したり忙しいヤツ)。「伏線としてベタすぎる」という批判もありますが、ここはむしろ携帯というアイテムの特長を活かした使い方を評価したいです。

 明穂の存在に気づいたものの、姿を見ることも、声を聞くこともできない一樹。きちんと話をして、今度こそ自分の想いを、願いを伝えたいのに、言葉を交わすところでつまづいてしまいます。
 万策尽きたかと思われたとき、一樹の脳裏に明穂の携帯のことが浮かびます。
 祈るような気持ちで明穂を呼び出す一樹。やがて――
その音は、すぐ後ろから聞こえてきた。
……全く、
今どき、着メロも入れられないなんて、明穂くらいしかいないだろう。
「……ねえ」
「居留守は禁止だよ?」
……しばし、待つ。
そして――、
『……もし、もし』
聞こえたんだ。

 一樹の言葉は明穂に伝わりません。明穂の声を引き出すことはできません。だから電話なのです。電話なら、出ないわけにはいきません。「居留守は禁止だよ?」と一樹は言いますが、明穂は性格的にそういうことのできる娘じゃない。だからこその幽霊携帯の設定。
 何より、「着メロも入れられない」明穂は、かかってきた電話に対し、着信拒否の操作などできるはずもなく。
 機械音痴という明穂の設定がここで生きてきます。見事と言うしかありません。
 そして、明穂と一樹の再会。もうここからは涙、涙モノです。
「……明穂?」
『うん…、私……』
『明穂…です……』
不安げな、とても小さな声だった。
「よかった、また…、声、聞けた」
『カズ…ちゃん』
……今なら、
もしかして、もしかするだろうか?
「ねえ…、明穂」
見える――だろうか?
「どこにいるの…?」
『………………』
『……ここよ』
「カズちゃんの…、側に……」

 それまで電話を介して聞こえていた明穂の声が、「カズちゃんの…、側に……」と言う瞬間、肉声に変わり、彼女の姿が現れます。そして絶妙のタイミングで流れる『凪』。この場面で涙腺を刺激された方も多いのではないでしょうか(←少なくとも、約1名、ボロ泣きしたのがいま〜〜す)。

 そしてこの後、明穂と一樹がお互いの気持ちを確かめ合う場面。ここで一樹が(ようやく?)漢を見せてくれます。
  「伝えたいことが、あったから」
「…………………」
「なに……かな……」
  「僕は――」
大きく息を吸い込んで、
  「明穂が、好き」
…言った。

 一樹がここで最初に伝えたのは、あの破局の夜の言い訳でも謝罪でもなく、「明穂が、好き」という言葉でした。それは明穂が何よりも聞きたかった言葉。「嘘でもいいから、好きって言ってよっ!」と言われて、でも応えることのできなかった言葉。だからこそ、何よりも先に、まずこの言葉を言ったのです。
 そしてもう一つ。
  「明穂――」
  「もう少し…、こっちに来ない…?」
微笑み返しながら、手招きした。
「ぐす…っ、なあに? キスしたいの?」
「ぎゅっ…て、してくれるの?」
頷く。
「えへへ…、残念…でしたぁっ」
「たぶん…もう…っ、出来ませーん…っ!」
言葉の割には、明穂は嬉しそうだった。
「どう…、する…っ? もう…、触れない、わよ…っ」
切れ切れの、喘ぐような声。
  「気にしない、かな」
腕を広げて、待ち受ける。
「カズちゃん…っ」
――明穂が、飛び込んできた。
「だい…すき」
何の感触も無いけれど、ふわりと受け止める。
「ぎゅって…して……」
包み込むように、腕を回した。
せめて、心だけでも抱きしめたくて――

 これもあの夜の「ぎゅって…、してくれないの…?」という台詞を思い出すと、「ぎゅって、して……」という明穂の言葉に泣けてくるのです。特に、恐らく力のほとんどを使い果たしてしまったのでしょう、もう以前のように触れ合うことができなくなってしまっただけ、余計に。

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 この後、ラストまで、語りたいことがあまりにもたくさんありすぎて、でもちょっと気持ちがまとまらなくて(いや書いてるうちにマジに泣いてきそうで)とても全部語りつくせそうにありません。ようやくまた心を通い合わせることのできた、明穂と一樹。2人の、安らかで、穏やかなやりとりの中から、個人的に涙腺を直撃したものをいくつか引用します。いやホント、泣けるんですよ。テキスト起こしながら目から汗出まくりでしたから。
  「こんな時期に半袖でうろついてるの…、明穂だけだよ…」
「だって…、しょうがないでしょ…?」
  「明穂は…夏が好きだからね」
そっと、手のひらを重ね合わせていた。
すり抜けてしまわないように、力を入れずに握り合う。
「カズちゃんの手…、あったかい……」
  「明穂のは――」
…よく、分からない。
感じることが出来るのは、ぼんやりとした温度だけ。
すべすべの細い指の感触も、ちょっと冷たい手のひらも、もう触れることは叶わなかった。
「こんな身体で…、ごめんね……」
  「…ううん」
それでも、外気に触れているのとは明らかに違った温度。
明穂は――、確かにここにいる。

「こうして…、カズちゃんの側にいられて……」
「今の私は、幸せだから……」
「世界で一番…って、思えるくらい」
「すごく…幸せだから……」
僕は――
何を壊そうとしていたのだろう…?
「幸せってね」
「あればあるだけ…、未練になっちゃうの」
「すごく、すごく、大切なものだから」
「たくさんあるだけ、失いたくないの…」

「カズちゃん……好きよ」
「何回言っても、足りないくらい…」
「大好き……」
……僕は、
  「僕は…、明穂を不幸にしたくなかったよ…」
  「明穂を、ずっと幸せなままでいさせてあげたかった」
――でも、
「それは、叶わない望みだから……」

 それでも、最後まで一樹の側に留まろうとする明穂に、一樹は生まれ変わりのことを話します。
「僕は、明穂がまた生まれてくるって…、信じてる」
「明穂に、生まれ変わってほしい…」
――そして、
「また…、出会いたいから」

 一樹は明穂を信じます。そして明穂もまた、彼女のことを信じる一樹を信じ、生まれ変わりの可能性に賭けて、成仏することを受け入れました。
「カズちゃん」
「私……、頑張ってみるね」
「どうやって頑張るのか、よく分からないけど…」
「がんばって…、人間の女の子になるわ」
それは、つまり――
「あは…、これって……」
「このまま消えちゃうより、勇気がいるわね…?」
……決心、してくれたらしい。
  「明穂……」
「私だって…、未来が欲しい」
「カズちゃんと、一緒に歩いていける…未来」
――何よりも、手に入れたかった未来。
「私…、やってみる」


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 「私だって…、未来が欲しい/カズちゃんと、一緒に歩いていける…未来」――これまで、明穂にとって成仏は一樹との別れであり、終わりを意味していました。時の止まった少女である明穂には未来を望むことなど許されませんでした。だからこそ、明穂のこの言葉は胸を打ちます。

 「もしも明日が晴れならば」――明穂ルートには、題名にもなっているこの言葉自体は出てきません。しかし、以前も書いたように、作中では折に触れて「また明日」という台詞が出てきます。
 「明日」というのは「未来」のことです。生きている人間である僕たちにとっては、当たり前のように訪れる「明日」も、幽霊である明穂には、必ず訪れるという保証のない不安定なものなのです。

 望むべくもないと諦めていた未来、一樹との未来を、もう一度手に入れたいと願う明穂。明穂はここで、初めて自分の運命に立ち向かい、運命を変えていこうと決心したのです。その想いが、願いが、僕を感動させるのです。
 他のルートと違い、自分のルートではどうしても受身になってしまいがちな明穂ですが、ここで再び一樹と出会うために成仏を決心する姿は、感動的です。

 そしてとうとう訪れる、2人の別れ。別れのシーンはどのルートでも泣けるのですが、やはり相思相愛の2人が別れねばならない明穂ルートが、一番泣かされます。
せめて笑顔で――旅立ちを見送ろう。
  「さよならは…言わないよ?」
「ぅ…ん…、わたしも、いいたく…ない……」
だから、今夜はこう言っておこう。
「「……またね」」
明穂が、そっと目を閉じる。
――光が、満ちていく。
それは、優しさに満ちた……祝福のひかり。
そして――
……明穂は、星になっていく。

 確かに、この直前の赤い糸の奇跡によって、明穂の転生と2人の再会は約束されています。でも、それでも――
 かけがえのない時間を共に過ごした、誰よりも大切な少女が、
 自分の腕の中で、静かに消えていく。
 それを笑顔で見送ろうとする、一樹の気持ちを考えると――

 涙が、止まらなくなってくるのです。

 こうして、「明穂の夏」は終わりを告げました。
 しかし、一樹の物語は、まだ終わっていません。
 なぜなら、彼の時間は、まだ止まったままだからです。
 


7)明穂エンド全肯定ですが何か?←誰に喧嘩売ってんの

 いや別に喧嘩売るつもりとかありませんって。ただ以前備忘録その1で書いたように、明穂エンドには批判が多くて、それ自体は別に全然構わないんですけど、本編だけでなく、このエンドにもすごく感動した(でなければ明穂アフターを書いたりはしません)僕としては、自分なりの考えを書いておいた方がいいかなと思ったわけです。

 明穂エンドに対する批判は2つに大別できます。
@オチが生まれ変わりというのはありきたりかつ安直。明穂の成仏で終わってくれた方が感動できた。オレの感動を返せ!!
Aあんなロリ明穂ハァハァとまた恋人同士になるなんてうらやましすぎ――もとい、けしからんぞ一樹。今日からおまえは性犯罪者だっ!!


 Aについては、確かにそうとられても仕方のない終わり方ではあります。ただ、だからと言って明穂が年頃になるまでずーっと一樹を待たせるのは余りにも不憫です。一樹が明穂と初めて会った10歳という年齢に合わせて10年後の再会にしたのはそれはそれでいいんじゃないでしょうか。
 ロリ明穂と恋人、という点については――これも確かにこの後いろいろ大変だと思いますよ。そのあたりの2人の悪戦苦闘ぶりを想像するのが楽しくて、SSを書いたりしちゃいましたが。

 で、問題の@についてです。僕の考えを書きます。明穂ルートをこういう流れにした以上、この終わり方(転生して再会)しかないというのが僕のスタンスです。だから、全肯定――ですが何か?(←やっぱり喧嘩売ってんじゃん

 何度も書いて恐縮ですが、明穂の死によって、一樹の時間は止まってしまいました。この時間が再び歩みを始めるまで、彼は本当の意味では救われません。

 これが他のヒロインルートなら、ある意味話は簡単です。一樹は明穂の死を乗り越え、ルートヒロインと結ばれることにより、新たな未来へと進んでいきます。(たとえ本人も望んだこととはいえ)過去の思い出として決別される明穂は不憫ですが、とりあえず一樹の時間を動かすことはできます。

 ところが、明穂ルートだとそう簡単にはいきません。新たな未来を共に歩むべき伴侶は、未来を持つことの叶わぬ幽霊なのですから。
 この状況で一樹と明穂がハッピーエンドを迎えるためには、どういう方法が考えられるでしょうか(別にハッピーエンドじゃなくてもいいじゃん、という声が聞こえてきそうですが、いわゆるバッドエンドが1つもないことから分かるように、このゲームはハッピーエンドを前提としているのでその声は聞くことはできません)。

A…ウルトラスーパーな奇跡が起きて明穂がよみがえる。
B…明穂の成仏後、一樹も年をとって死んで、その後仲良く2人が生まれ変わって再会、結ばれる。
C…生まれ変わった明穂が一樹と再会。


 僕の貧弱な頭では、常識的に考えてこの3パターンくらいしか思いつきません。Cはまんま明穂エンドなのでいいとして、他の2つを見てみましょう。
 パターンAですが、実はこういう終わり方をするんじゃないかって、半分くらいは期待してました。でも、明穂が死んだ直後ならともかく、四十九日も過ぎて、3か月近くたって明穂が生き返ったりしたら、それはそれでかなり問題があるのではないかと思います。神様と恋人同士になっちゃう千早エンドも無理がありすぎますが、それ以上に無理があるんじゃないでしょうかね。残念ながら、この案は採用できません。

 パターンBはどうでしょう。Aに比べればずっとマシですね。2人ともほぼ同じ時期に転生すれば年齢的にも釣り合いが取れるから、Cの明穂エンドのような極端な年の差カップルになる心配もありません。うん、この3つの中では一番無理が少ないんじゃないですかね。それじゃいっそのこと、エンド変えちゃいましょうか。

――と、いったらいいんですが。残念ながら、この案には大きな問題があります。パターンBでは、一樹の時間は最後まで(死ぬまで)止まったままだということです。死んだ後、転生してから救われるにしても、鳩羽一樹として生きている間、ずっと明穂の死を抱えたまま、救われないまま残された余生を生きていくというのは、ちょっと、いやかなり残酷ではないでしょうか。

 以上のように考えていくと、やはり明穂エンドはパターンCの形を取るのが一番よいということになります。

 かくして、一樹は秘密基地で明穂と再会します(ここでも繰り返しのモチーフが見られます。しかも今回は明穂が一樹を見つけるという逆の形で)。そしてラストシーン。
  「一緒に、どこか遊びに行く?」
「ええとね…っ、カズちゃん、私、私ねっ!」
――止まった時間が、動き出す。
「海に行きたいなっ!」

 一樹の止まっていた時間が歩みを始め、物語は終わりを告げます。しかしそれは、幸せになるはずだった、そしてこれから幸せになっていく2人の、新たな物語の始まりでもあります。
 素晴らしい幕切れです。

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 ……終わった。真っ白に、燃え尽きたよ。
 何とか「赤い糸」感想終わらせることができました。いや〜〜長かった。それ以上にキツかった……
 スイマセン。今虚脱状態でこれ以上書くことができません。いろいろ積もる話もあるのですが、これは後日、あとがきに書くということで。今日はこれにて失礼します。ではでは〜〜。





画像「ってアンタ、感想文にあとがきとかつけるつもりなワケ!?」


※アイコン素材→わつき屋さん 多謝


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして!つい2週間前に「もしらば」を中古で手に入れ(18k高過ぎ…)すっかりはまってしまいました。「赤い糸」感想1〜3すべて読まさせて頂きました。いやあ感想というよりもう「考察」ですね!プレイしていて自分の中で「?」だった部分が「なるほどそうだったのか」となりました。自分も明穂√が一番好きなので(というか明穂が)このブログはとても共感できます。これからもがんばってください!では
mirok
2008/06/16 17:07
mirokさんへ
はじめまして! 18kとはまた高いですね。でもそれだけ出しても惜しくないゲームだと思いますよ。僕も1stプレイのときはコワいくらいにハマってしまいました。
感想の方は勢いだけで書いたようなものなので、今読み返すと赤面モノなのですが、明穂エンドがTrueエンドというスタンスは今でも変わってません。ああ、そういやつばさ達の√感想もいい加減書かないといけませんね。√ヒロインほっぽって明穂のことばっかり書きそうな気が激しくしますが(ぉ

二言目には「明穂、あきほ」の偏ったblogですが、よろしかったらまた遊びに来てください。
miya
2008/06/16 22:30

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もしらば 明穂ルート「赤い糸」感想その3(長文+激ネタばれ注意) 王様の耳は/BIGLOBEウェブリブログ
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