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zoom RSS 年末〜年始に見た映画の感想

<<   作成日時 : 2010/01/17 19:04   >>

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1月の備忘録でタイトルだけ紹介した映画の感想です。


・「刑事マルティン・ベック」(監/ボー・ヴィーデルベリ)
スウェーデンのミステリ作家、ペール・ヴァールー&マイ・シューヴァルの「マルティン・ベック・シリーズ」の第7作「唾棄すべき男」の、ほぼ原作に忠実な映画化。原作に忠実すぎて、未読の人はラストで「?」になってしまうかも。だがそれがいい(マテ

ある夜、ストックホルム市内の病院で入院患者が惨殺される(銃剣を使ったこの殺人シーンはホラー映画並にコワい。ちなみにドバッとぶちまけられる血は映画用の血のりではなく、本物の豚の血だとか)。
被害者が所轄署の警部だったことから、殺人課のマルティン・ベック警視は怨恨の線で捜査を進める。その過程で明らかになる被害者の意外な人間像。家庭ではよき父親であり、部下から尊敬されていた警部は、権力をカサに着て過剰な暴力で犯罪者のみならず一般市民まで抑圧する「唾棄すべき男」だった。
やがて捜査線上に浮かぶ一人の男。被害者の落ち度のせいで妻を失い、結果的に職まで失った男は元警官で、射撃の名人だった。男は、警部をかばい妻の死をもみ消した警察と警察官に深い恨みを抱いていた。
ただちに容疑者の家に向ったベックだが、男は武器弾薬とともに姿を消していた。そして遂に、男の、警察への報復が始まった――

長々とストーリーを紹介しましたが、知る人ぞ知る名作です。前半はベックをリーダーに、殺人課の面々が事件を調べていく過程が、緊張感をはらみながらも、淡々としたタッチで描かれています。そこで明らかとなる権力の横暴と腐敗。原作は警察小説というスタイルをとりながら、当時(60〜70年代)のスウェーデンの社会問題を扱っており、映画の中でもそのあたりはしっかりと描かれています。

そしてそれまでの「静」の雰囲気が、警官に向けて放たれた銃弾によって一気に「動」へと転換するところが見事。ストックホルム市内でのロケ撮影(日本じゃまず無理、ってくらい臨場感がある)の気合の入り方がハンパじゃありません。
ハリウッド映画のようにバンバン撃ちまくる映画ではありませんが、最後まで手に汗握るサスペンス。

特典として収録されてるインタビューを見ると、監督が並々ならぬ意欲でこの映画に取り組んだことが伝わってきます。ていうかこの監督ムチャクチャです。ヘリが墜落するシーンを下から撮りたいといって、自分でカメラ持ってホントに落下地点の下(地下鉄の階段の下)から撮ったり、ビルの上での撮影で、安全ネットの信頼性にビビる俳優を安心させるためにその場でネットに向ってダイブしたりとか。何とかと紙一重を地でいく人だったようですw



・「ボーン・アルティメイタム」(監/ポール・グリーングラス)
1作目の「ボーン・アイデンティティー」の時点では、製作陣はこれをシリーズものにしようとは考えていなかったと思います。でも、2作目「ボーン・スプレマシー」のときには、3部作にしようと、1作目の監督であり、2,3作目のプロデューサーでもあるダグ・リーマンは考えたはずです。2作目のラストの、ボーンとCIAの女性幹部ランディとの電話でのやりとりは、いかにも3作目への布石って感じでしたから。

で、3作目の本作ですが、まず驚いたのが、(「007/慰めの報酬」みたいに)2作目のロシア・シークエンスの直後から話が始まっていること。時系列的にてっきりランディとの会話の後から始まると思っていました。

で、あれよあれよと話が進んでいって、終盤近くなって、やっとランディに電話をかけるボーン。まさか2作目のラストがこういう形で3作目にリンクしてくるとは。しかも、2作目のときは当然わかりませんでしたが、この場面、ただ電話するだけでなく、本作のストーリーに深く関わっている(なぜボーンが危険を冒してランディに電話をかけたのか、とか。詳しくは映画を見てくれ)という、話の構成の巧みさに唸らされました。

地に足のついたようなアクションは相変わらずで、前半のロンドン駅でのシークエンスでは、初期のスティーブン・セガールみたいに複数の敵をあっという間に倒すシーンが凄い。ボーン無双って感じ。

続くモロッコ・シークエンスでは、CIAの暗殺者とボーンとの頭脳戦→追跡→肉弾戦。特に、ボーンの尾行に気づいた暗殺者が、ボーンが凄腕のプロであることを逆手にとってトラップを仕掛けるところは敵ながらアッパレ。その後の1対1の肉弾戦では、前作にも参加した、ジョン・カーペンター組のスタント・コーディネーター、ジェフ・イマダによる、狭い室内での、その場にあるもの(前作は雑誌が武器に早変わりでしたが、本作ではハードカバーを用いています)を利用した格闘アクションが冴えに冴えています。

正直、最後に明かされる真実がそんなに衝撃的でなかったりと、微妙に竜頭蛇尾な感じもするのですが、シリーズのまとめとしては十分おつりのくる出来。1作目「ボーン・アイデンティティー」の冒頭と照応するような終わり方とか、なにげにヒロインのマリーを差し置いて、3作皆勤しているニッキー(物語の締めくくりは彼女の改心の笑顔。こんな重要なキャラになるとは1作目の段階では思いもしなかった)とか、細かい見所も多かったです。



・「ズール戦争」(監/サイ・エンフィールド)
昔テレビ東京が東京12チャンネルだったころ、2回に分けてお昼の映画の時間にやってたのを診た記憶があります。実に○十年ぶりに再見。

ズールー戦争(映画では『ズール』となっていますが)についてはココを見てもらうとして、この映画は、「ローク浅瀬の戦い」として本国イギリスでは有名な戦いを描いたもの。100名余のイギリスの守備兵が、4000人のズール戦士を相手に2日間戦い抜いたという、実に戦力差1対40というとんでもない戦い。普通だったらあっという間に数で圧倒されてしまうところですが(実際、この戦闘の前のイサンドルワナの戦いでは、2万のズールー軍の前に1200人余のイギリス軍が壊滅している)、そこをどう乗り切ったかは、ぜひ映画で確認してほしいです。

ちなみに、メイキングを見るまで知らなかったのですが、監督のサイ・エンフィールドという人はアメリカ人だそうで。何となく映画の雰囲気が「騎兵隊vsインディアン」の西部劇っぽいのもそのためでしょうか。往年の西部劇ではおなじみの牛の大暴走もちゃんとあるし。



・「007/カジノ・ロワイヤル(2006年度版)」(監/マーティン・キャンベル)
細かいことは備忘録の「慰めの報酬」のところでも書いたので割愛。意外だったのは、派手なアクション・シークエンスを除けば、イアン・フレミングの原作にかなり忠実なところ。ボンドの全裸拷問シーンもちゃんとある。ただ、原作はアクションシーンがほとんどないので、そこらへんは映画的に見せ場を用意していました。

アクションを除けば原作と大きく違うのは、敵役ル・シッフルのバックグラウンドとラストシーン。あのラストは次作「慰めの報酬」につなげるために必要不可欠なものですが、あそこでボンドの定番の名台詞がくるあたり、007映画をリニューアルしながらも、押さえるべきところはきちんと押さえていますねw

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