王様の耳は

アクセスカウンタ

zoom RSS もしらば 明穂ルート「赤い糸」感想 その1(長文+ネタばれ注意)

<<   作成日時 : 2007/12/02 16:01   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

 泣きました。明穂の一樹への一途な想いに。苦しみも悲しみも辛さも全部受け止めた上で、それでもなお、大切な人と過ごした日々を「幸せだった」と言い切る姿に――

 泣きました。一樹の明穂への不器用な愛に。不器用故に時に大切な人を傷つけてしまいつつも、それでも精一杯誠実であろうとする姿に――

 そして何よりも、2人の絆の強さに。未来を信じ、明日の出会いに希望を託して、愛する人との別れを選択する姿に――
 
 涙が、止まりませんでした。



 こんばんは。いつもと違う出だしで失礼します。miyaという者です。だいぶ間が空いてしまいましたが、明穂ルート「赤い糸」感想です。長いです。長いので取り敢えず前半部分をアップします。共通ルート感想と違いネタバレ全開の飛ばしまくりです。覚悟して読めよな(←威張るな)。ではでは〜〜。





1)今回は短い前口上

 「赤い糸」。シンプルなタイトルが象徴的に表しているように、この章は明穂と一樹の絆がテーマになっています。「Bonds of Family=家族の絆」――もしらばのOPに出てくるこの言葉がつばさルートのテーマだとすれば、こちらはさしずめ「Bonds of Lovers」といったところでしょうか。僕の中ではつばさエンドがもしらばのノーマルエンド、そしてこの明穂エンドこそがトゥルーエンドです。

 赤い糸――愛し合う2人を結ぶ、目には見えない運命の糸。伏線の張り方が巧みなもしらばですが、プロローグで明穂が一樹に言ったこの言葉、普通だったら陳腐きわまりないこのキーワードが、物語の終盤でこれほど重い意味を持つとは。しかもクライマックスで、見えないはずのその赤い糸をあんな風に見せるなんて、演出反則すぎます。泣けと言ってるようなものです。ええ、しっかり泣かせていただきましたとも。


2)逝く者、見守る者
「ねえ、カズちゃん…、お願いだから」
「哀しい目で、見つめないで」

 明穂のモノローグがあまりにも切なすぎるアバンから一転、第6章「赤い糸」はテスト勉強をする一樹と、珍しくそれを邪魔しようとする明穂の夫婦漫才のようなやりとりで幕を開けます。
 いつもの気まぐれ。いつもの我が儘。そんな、いつもと変わらない明穂と、「やれやれ」と溜め息をつきつつも恋人につきあう一樹。これまで何度となく繰り返されてきたであろう、ごくごく平穏な日常。
 しかしそれは、決してこれまでと同じ日常でないことを、一樹も明穂も、そして僕たちも知っています。
 薄れている明穂の身体。さりげない一樹の気遣い。「病人扱いは嫌よ」と冗談めかしていう明穂。
 タイムリミットは刻一刻と近づいています。
 この後、一樹のために残り少ない力を使って淹れたであろうお茶を飲みながらの2人のやりとりは、それが悲しい翳が微塵も感じられないだけに余計胸を打ちます。
「同じ大学、行きたいわね」
「私は医学部だからね? 難関よ?」
「もちろん、特待生狙い! カズちゃんもよ?」
「(話題が2人の子供のことになって)でも、いつかそういう日が来たら…、私、すごく幸せ」
「っていうか子作りの前に結婚よね? やっぱりここは一つ学生結婚かなーっ?」

画像


 永遠に失われてしまった未来を、それが実現することなどないと知りつつも楽しげに、多少無理をしてでも屈託なく、いつまでも話し込む明穂と一樹。このあたりで既に涙腺が緩んでいるmiyaは間違いなく泣き上戸です。そして一日の終わりに、祈りの言葉のような一樹のつぶやき。
願わくば、明日も――
ささやかな幸せが、続いて欲しかった。

 それまで何度となく本編中でも繰り返されたであろう「明日」という言葉が、この章に入るに至って、急に重い意味を持ってきたような気がします。

 この後、明穂が力を使えなくなったり、一樹が明穂を海に連れて行ったりとストーリー上の起伏はあれど、花火のエピソードまで、基本的に物語は淡々と進んでいきます。



 終末医療――比較的緩やかな流れの前半部分を見て、咄嗟に僕の頭に浮かんだのがこの単語でした。

 いずれそう遠くない時に、最後の日はやってくる。

――その日まで、少しでも長く、私はカズちゃんの側にいたい。
――そのときが来るまで、僕は明穂の側にいる。そして。
――少しでもたくさん、明穂に幸せな思い出を残してあげたい。

 冒頭で明穂が自分のことを重病人になぞらえていましたが、本当にそんな感じです。終末医療では、末期癌などの患者に対し、延命よりも身体的、精神的苦痛を取り除くことで人生の質を向上させることに主眼が置かれているそうですが(Wikipediaにそうありました)、この「人生の質」というのがまさに、明穂を海に連れて行く前の晩に一樹の言っていた、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)なのです。
 
 せめて最後のその日に、明穂が、悲しまずに、微笑んで、幸せな思い出と共に逝けるように。それが一樹の、そして残された人たちの願いでした。



 力を失って消沈する明穂を少しでも元気付けるために、一樹が明穂を生みに連れて行く場面は、第6章前半の山場といえます。
「カズちゃん、私…」
「海に行きたいなっ!」

 夏休みの直前、晴れて2人が恋人同士になったときに、明穂が一樹に言った言葉。明穂の死によって実現することなく失われてしまった夏の思い出。一樹がどんな思いで明穂を海に連れて行こうとしたのか、考えると胸が痛くなってきます。
たぶん、二人で旅行をするなんて、これが最初で最後になるだろう


画像


 海辺での2人の掛け合いや美しい背景はもちろん言うことなしの出来ですが、この後ホテルでのお約束の場面にまたやられてしまいました。まさかHイベントのシーンでこんなに泣かされてしまうとは。
「カズちゃん…、私たち…」
「いつまで…、こうしていられるのかな…?」
  「分からないよ」
「そうよね…、分からない…わよね」
「いつまで、触れ合えるのか…分からない」
  「泣くのは無しだよ?」
「…カズちゃんもよ?」
「…でも、分からないからこそ…、幸せなのよね」

 第5章のネタバレ感想でも書きましたが、明穂ルートに限っては、Hイベントはストーリーになくてはならない要素となっています。残された時間に限りがあるからこそ、今、このときの温もりを大切にしたい。単に肉体的な快感だけでなく、相手を想うその気持ちを感じ取っていたい。そんな2人の、祈りにも似た願いが涙を誘うのです。
いつかは失われる喜びだからこそ、
今の、この時を――大切にしていきたい。

 そして、明穂の、怖いくらいに純粋でまっすぐな、一樹への想い。
「お願い…だから…っ」
「放さないで…、私の、こと…っ」
「放さないからっ! 私っ、絶対離れないから…っ!」
「私は…、ずっとカズちゃんのこと…、抱き締めてるから…」
「カズちゃんのためなら…、何でもするよ…?」
「私には、カズちゃんしかいないから…、カズちゃんだけだから…」
「好き…、大好きよ…」

 あまりに純粋すぎて、時に危うい感じすらする明穂の想い。そこまで彼女が一途に一樹のことを思えるのは、彼女が他に何も持たない幽霊だからという気がします。実体のない、想いだけでこの世に留まっている幽霊だからこそ。それゆえ彼女の一樹への思いは切なく、愛おしく――少しだけ、怖いです。自分が不幸になることを顧みない想いだからです。この後の鬱展開の萌芽はすでにここで出ていると言ってよいでしょう。

 翌朝、海岸を散歩する一樹と明穂。前夜の激しさが嘘のように静謐感漂うシーンです。ほんと、この場面での2人は、「不治の病で余命いくばくもないヒロインとそれを見守る主人公」という感じで、↑に書いた「終末医療」というイメージが強く感じられます。
「でもね…、それでも川は流れて、海に注ぐのよ」
「…そういうものだって、分かってるのにね」
「どうして、行きたくないって、思っちゃうのかな?」

 明穂のこの台詞は静かな諦めの中にも、抑え切れない未練、執着が感じられて印象に残ります。

 海への旅行が一樹と明穂の2人の思い出作りだとすれば、あとに続く花火のシークエンスは、家族との思い出作りです。が、いきなり時期はずれの花火というイベントに行くのではなく、その前にテスト勉強、そして珠美も含めて鳩羽家全員での夕食という、日常の生活をきちんと見せているのが良いです。であればこそ、食事の場面での明穂の台詞、
「カズちゃん、あのね…」
「私、いま幸せよ」

が効いてきます。別に何か特別なことばかりしなくても、思い出は作ることが出来る。ごく普通の、平凡な毎日の中にも、かけがえのない大切なものは確かにあるのです。そんな、幸せのかけらを一つ一つ拾い上げるかのような明穂の言葉に、涙を禁じ得ません。


画像



 花火のシーン――花火にまつわる思い出。回想の中で花火を両手に持ち、嬉しそうに、幸せそうにはしゃぐ明穂。そして現在、同じように花火と戯れるみんなを見つめる明穂。つばさと明穂の、含みを持たせた、でも明らかな「お別れ」の会話――駄目です。全て涙腺を直撃してきます。どうしてこのゲームはこんなに人を泣かせようとするのでしょうか。

 泣きながら、思いました。
 ああ、これは、この花火は「送り火」なんだな、と。



 ここまでくれば。ここまでやってくれれば、もう、これでいいじゃなかという声が聞こえてきそうです。明穂は大切な、そして幸せな思い出をたくさん抱いたまま、大好きな一樹に看取られて消えていく。恋人との悲しい、永遠の別れ――明穂ルートがこういう結末を迎えたとしても、それはそれで、感動的なラストという気がしないでもありません。

 しかし、そうはなりませんでした。
 そして。
 敢えて言いますが、明穂ルートに関しては、そういうラストではいけないのだと、僕は思います。(理由は後述)



↑押してくれると続きを書く意欲がアップします

web拍手を送る



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
風水を実践しよう
日本はアメリカ、香港、台湾といった海外でおこなわれている風水実践において、大体5年ぐらい遅れているということを知っていますか?。あなたは、自分の寝ている方向を気にしたことありますか?仕事場で自分の机の方向を意識したことありますか?風水グッズは、きちんとあなたの吉方位に置いてますか?風水(ふうすい)は、中国4千年の思想で、都市、住居、建物、墓などの位置の吉凶禍福を決定するために用いられてきた。気の流れを物の位置で制御する思想。風水では都市や住居(生者の居住空間)を「陽宅(ようたく)」、墳墓(死者の ...続きを見る
風水,もしらば 明穂ルート「赤い糸」感想
2007/12/07 19:50

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
もしらば 明穂ルート「赤い糸」感想 その1(長文+ネタばれ注意) 王様の耳は/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる